【源氏物語632 第20帖 朝顔14】朝顔の姫君の元へ向かう源氏を 紫の上は見ようともせず 明石の姫君の相手をしていた。源氏を信頼して暮らしてきた紫の上は、寂しい気持ちになっていた。

さすがに出かけの声をかけに源氏は夫人の所へ来た。 「女五の宮様が御病気でいらっしゃるから お見舞いに行って来ます」 ちょっとすわってこう言う源氏のほうを、 夫人は見ようともせずに姫君の相手をしていたが、 不快な気持ちはよく見えた。 「始終このごろは機嫌が悪いではありませんか、 無理でないかもしれない。 長…