【源氏物語643 第20帖 朝顔25】紫の上に、藤壺の中宮は、気高く柔らかく完全な貴女であったと話す。また朝顔の姫君については、敬意の払われる友人として手紙をかく交際相手という。

「昔 中宮がお庭に雪の山をお作らせになったことがある。 だれもすることだけれど、 その場合に非常にしっくりと合ったことをなさる方だった。 どんな時にもあの方がおいでになったらと、 残念に思われることが多い。 私などに対して法《のり》を越えた御待遇はなさらなかったから、 細かなことは拝見する機会もなかったが…