【源氏物語644 第20帖 朝顔26】源氏は、紫の上に女君達について話す。朧月夜の尚侍、明石の上、東の院の女君‥こんな話をしながら夜はふけていった。

「尚侍《ないしのかみ》は 貴婦人の資格を十分に備えておいでになる、 軽佻《けいちょう》な気などは 少しもお見えにならないような方だのに、 あんなことのあったのが、私は不思議でならない」 「そうですよ。艶《えん》な美しい女の例には、 今でもむろん引かねばならない人ですよ。 そんなことを思うと自分のしたことで…