【源氏物語650 第21帖 乙女5】大宮は、源氏の言うことが もっともだと思いつつも夕霧を不憫に思う。源氏は、父を恨めしく思う夕霧を 可愛いくて仕方ないという目で見ている。

源氏が言うのを、聞いておいでになった宮は 歎息《たんそく》をあそばしながら、 「ごもっともなお話だと思いますがね、 右大将などもあまりに変わったお好みだと不審がりますし、 子供もね、残念なようで、 大将や左衛門督《さえもんのかみ》などの息子の、 自分よりも低いもののように見下しておりました者の位階が 皆上…