【源氏物語657 第21帖 乙女12】大臣の姫君 雲居の雁は大宮に引き取られ育てられた。源氏の若君の夕霧の従姉妹。この少女と少年は小さな恋人同士になった。

幾人かの腹から生まれた子息は十人ほどあって、 大人になって役人になっているのは 次々に昇進するばかりであったが、 女は女御のほかに一人よりない。 それは親王家の姫君から生まれた人で、 尊貴なことは嫡妻の子にも劣らないわけであるが、 その母君が 今は按察使大納言《あぜちだいなごん》の夫人になっていて、 今の…