【源氏物語659 第21帖 乙女14】大臣は、母の大宮に、嵯峨の山荘の明石の上が、琵琶が非常に上手だあるという話をした。大臣は大宮に琴を引くことをお勧めする。

「琵琶《びわ》は女が弾くとちょっと反感も起こりますが、 しかし貴族的なよいものですね。 今日はごまかしでなく ほんとうに琵琶の弾けるという人はあまりなくなりました。 何親王、何の源氏」 などと大臣は数えたあとで、 「女では太政大臣が嵯峨の山荘に置いておく人というのが 非常に巧《うま》いそうですね。 さかの…