【源氏物語668 第21帖 乙女23】大臣は「年若いとはいえ、あまりに幼稚な心を持っている貴女とは知らないで、娘としての人並みの未来を考えていたのだ。私のほうが廃《すた》り物になった気がする」と言う。

姫君は何も知らずにいた。 のぞいた居間に 可憐な美しい顔をして姫君がすわっているのを見て、 大臣の心に父の愛が深く湧《わ》いた。 「いくら年が行かないからといって、 あまりに幼稚な心を持っているあなただとは知らないで、 われわれの娘としての人並みの未来を 私はいろいろに考えていたのだ。 あなたよりも私のほ…