平家物語58第3巻 頼豪〈らいごう〉〜The Tale of the Heike🪷

白河院がまだご在位の時、関白藤原師実《もろざね》の娘、 賢子《けんし》の中宮をひどく寵愛されていた。 かねがね、この御腹に、一人皇子が欲しいと望んでいられたが、 当時、その道では聞えた三井寺の頼豪 阿闍梨《あじゃり》を呼び出した。 「賢子の中宮の御腹に皇子誕生を祈祷してくれまいか、 願いのかなった暁は、…