【源氏物語671 第21帖 乙女26】夕霧は、雲居の雁との恋を大臣が知ったことを大宮から聞く。これからは手紙の往復もいっそう困難になることであろうと思うと、若君の心は暗くなっていった。

自身のことでこんな騒ぎのあることも知らずに 源氏の若君が来た。 一昨夜は人が多くいて、 恋人を見ることのできなかったことから、 恋しくなって夕方から出かけて来たものであるらしい。 平生大宮はこの子をお迎えになると 非常にお嬉しそうなお顔をあそばしてお喜びになるのであるが、 今日はまじめなふうでお話をあそば…