【源氏物語674 第21帖 乙女29】大臣は冷泉帝に女御退出を願い出て自邸に迎えることにした。女御の話し相手として雲居の雁も呼ばれた。

内大臣はそれきりお訪ねはしないのであるが 宮を非常に恨めしく思っていた。 夫人には 雲井の雁の姫君の今度の事件についての話をしなかったが、 ただ気むずかしく不機嫌になっていた。 「中宮がはなやかな儀式で 立后後の宮中入りをなすったこの際に、 女御が同じ御所でめいった気持ちで 暮らしているかと思うと私はたま…