【源氏物語675 第21帖 乙女30】大宮は「人というものは、どんなに愛するものでも こちらをそれほどには思ってはくれないものだね‥そして 大臣は私を恨んで、姫君をつれて行ってしまう」と嘆く。

大宮は力をお落としになって、 「たった一人あった女の子が亡くなってから 私は心細い気がして寂しがっていた所へ、 あなたが姫君をつれて来てくれたので、 私は一生ながめて楽しむことのできる宝のように 思って世話をしていたのに、 この年になってあなたに信用されなくなったかと 思うと恨めしい気がします」 とお言い…