平家物語74 第3巻 行隆の沙汰〈ゆきたかのさた〉〜The Tale of the Heike🪷

関白基房の家来、江大夫判官遠成 《ごうたいふはんがんとおなり》という者がいた。 日頃から平家には反感を抱いていたが、 六波羅からの追手が迫ると聞き、 息子 江左衛門尉家成《ごうさえもんのじょういえなり》 といっしょに揃って家を出た。 家を出てみたが、 結局は行く目当もなく頼る人もない二人は、 稲荷山《いなり…