【源氏物語691 第21帖 乙女46】良房の大臣の賜わった古例で、七日の白馬《あおうま》が二条の院へ引かれて来た。宮中どおりに行なわれた荘重な式であった。二月二十幾日に朱雀院へ行幸があった。

元日も源氏は外出の要がなかったから 長閑《のどか》であった。 良房《よしふさ》の大臣の賜わった古例で、 七日の白馬《あおうま》が二条の院へ引かれて来た。 宮中どおりに行なわれた荘重な式であった。 二月二十幾日に朱雀《すざく》院へ行幸があった。 桜の盛りにはまだなっていなかったが、 三月は母后の御忌月《おん…