【源氏物語692 第21帖 乙女47】「春鶯囀《しゅんおうてん》」が舞われている時、昔の桜花の宴の日のことを院の帝はお思い出しになって「もうあんなおもしろいことは見られないと思う」と源氏へ仰せられた

「春鶯囀《しゅんおうてん》」が舞われている時、 昔の桜花の宴の日のことを院の帝はお思い出しになって、 「もうあんなおもしろいことは見られないと思う」 と源氏へ仰せられたが、 源氏はそのお言葉から青春時代の恋愛三昧《ざんまい》を 忍んで物哀れな気分になった。 源氏は院へ杯を参らせて歌った。 鶯《うぐひす》の…