【源氏物語694 第21帖 乙女49】帝は皇太后を訪問あそばした。太后は過去の御自身の態度の非を悔いておいでになった。源氏はどう自分の昔を思っているであろうと恥じておいでになった。

夜ふけになったのであるが、 この機会に皇太后を御訪問あそばさないことも 冷淡なことであると思召《おぼしめ》して、 お帰りがけに帝はそのほうの御殿へおまわりになった。 源氏もお供をして参ったのである。 太后は非常に喜んでお迎えになった。 もう非常に老いておいでになるのを、 御覧になっても帝は御母宮をお思い出…