【源氏物語695 第21帖 乙女50】朧月夜の尚侍も静かな院の中にいて、過去を思う時々に、源氏とした恋愛の昔が今も身にしむことに思われた。近ごろでも源氏は好便に託して文通をしているのであった。

朧月夜《おぼろづきよ》の尚侍《ないしのかみ》も 静かな院の中にいて、過去を思う時々に、 源氏とした恋愛の昔が今も身にしむことに思われた。 近ごろでも源氏は好便に託して文通をしているのであった。 太后は政治に御|註文《ちゅうもん》をお持ちになる時とか、 御自身の推薦権の与えられておいでになる 限られた官爵…