【源氏物語697 第21帖 乙女52 】春になってからは専念に源氏は宮の五十の御賀の用意をしていた。東の院でも仕事を分担し助けていた。花散里と紫の上とは同情を互いに持って美しい交際をしているのである。

春になってからは専念に源氏は 宮の五十の御賀の用意をしていた。 落《おと》し忌《いみ》の饗宴《きょうえん》のこと、 その際の音楽者、 舞い人の選定などは源氏の引き受けていることで、 付帯して行なわれる仏事の日の経巻や仏像の製作、 法事の僧たちへ出す布施《ふせ》の衣服類、 一般の人への纏頭《てんとう》の品々…