源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸
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【私本太平記16 第1巻 大きな御手⑧〈みて〉】「ともあれ、異変の兆《きざ》しは、蝦夷《えぞ》の空だ。 仔細は船宿で話してくれる。はやく参れ」時乱に敏感なのは、いつのときでも、官辺よりは民衆だった。
「あれを見い、右馬介」 「おあとに、何か」 「いや、覚一の姿が、まだわしたちを見送っておる」 「はて。見えもせぬ眼で」 「そうでない。見える眼も同じだ。 わしたちを振向かせているではないか」 ——この日、都を離れた主従は、 当然、数日後には、 東海道なり東山道の人となっているべきはずなのに、 やがて正月十日の…