【私本太平記28 第1巻 ばさら大名③】「足利家も源氏の御嫡流、佐々木殿も頼朝公以来の名族。 申さば同じ流れのお裔《すえ》、ここでお会いなされる御縁が、自然待っていたものとぞんずる」と述べた。

ところで“名のり”を高氏と称する当の人物というのは、 その江北京極家の当主であった。 つまりこの地方の守護大名、 佐々木佐渡ノ判官《ほうがん》高氏殿こそがその人なので……と、 土岐左近は、 一応の紹介の辞でもすましたような、したり顔で 「足利家も源氏の御嫡流、佐々木殿も頼朝公以来の名族。 申さばおなじ流れのお…