源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸
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【私本太平記34 第1巻 ばさら大名⑨完】高氏を睨むように見た。左の手が小刀のある脇腹に隠されたのは、脅しとしても物騒な姿勢である。こういう時は地蔵菩薩を念じていよ、母のささやきがどこかで聞えた。
「御念までもない。しかし御不安なれば、聞かずとも」 「いや、申さいでは天意にそむく。足利殿も天皇領の御住人。 ……そこはかとなく、待てる時節が来ているとは思しめさぬか」 「どういう時節が」 「これはまた、あっぱれな、おとぼけ顔ではある」 打ッちゃられたように、左近はツギ穂を失って、 どぎまぎしたが、その反…