【古事記2 古事記の企画】稗田の阿禮という人があり、年は二十八、人柄が賢く、目で見たものは口で読み伝え、耳で聞いたものはよく記憶しました。そこで阿禮に仰せ下され、帝紀と本辭とを讀み習わしめられました。

古事記の企画 ——前半は天武天皇の御事蹟と徳行について述べる。 後半、古來の伝えごとに關心をもたれ、 これをもつて國家經營の基本であるとなし、 これを正して稗田の阿禮をして誦み習わしめられたが、 まだ書物とするに至らなかつたことを記す。—— 飛鳥《あすか》の清原《きよみはら》の大宮において 天下をお治めになつ…