【源氏物語758 第24帖 胡蝶②〈こちょう〉】竜頭鷁首《りゅうとうげきしゅ》の船はすっかり唐風に装われてあって、梶取り、棹取りの童侍は髪を耳の上でみずらに結わせて、支那風の小童に仕立ててあった。

竜頭鷁首《りゅうとうげきしゅ》の船はすっかり唐風に装われてあって、 梶取《かじと》り、棹取《さおと》りの童侍《わらわざむらい》は 髪を耳の上でみずらに結わせて、 これも支那《しな》風の小童に仕立ててあった。 大きい池の中心へ船が出て行った時に、女房たちは外国の旅をしている気がして、 こんな経験のかつてな…