いとどしく虫の音《ね》しげき浅茅生《あさぢふ》に露置き添ふる雲の上人《うへびと》〜宮中に戻る靭負命婦に桐壺更衣の母君が詠みかけた歌【第1帖 桐壺】

いとどしく 虫の音ねしげき 浅茅生あさぢふに 露置き添ふる 雲の上人うへびと 〜虫の声がしきりにしているこの草深い荒れ果てた家に、 ますます悲しみの涙の露を置き添える宮中のお方よ。 桐壺更衣 きりつぼのこうい亡き後の里を、 帝の使者として見舞った靭負命婦ゆげいのみょうぶが宮中に戻ろうというとき、 桐壺更衣の…