天に在《あ》っては比翼の鳥、 地に生まれれば連理の枝🪷長恨歌(ちょうごんか)より 【第1帖 桐壺】

太液《たいえき》の池の蓮花《れんげ》にも、 未央宮《びおうきゅう》の柳の趣にも その人は似ていたであろうが、 また唐《から》の服装は華美ではあったであろうが、 更衣の持った柔らかい美、 艶《えん》な姿態をそれに思い比べて御覧になると、 これは花の色にも鳥の声にもたとえられぬ最上のものであった。 お二人の間…