人の世を 哀れときくも 露けきに おくるる露を 思ひこそやれ〜青ががった灰色の手紙を菊の枝につけた 六条御息所の手紙🪷

人の世を 哀れときくも 露けきに おくるる露を 思ひこそやれ 〜人の世の無常を この菊の花の聞くにつけ涙がこぼれます。 先立たれなさった貴方は、 どんなにか涙にくれていらっしゃるかとお察しいたします。 【第9帖 葵 あおい】 夜は帳台の中へ一人で寝た。 侍女たちが夜の宿直におおぜいでそれを巡ってすわっていても、…