月影は見し世の秋に変はらねど隔つる霧のつらくもあるかな〜藤壺の中宮の歌とお召し物の動く音がほのかに聞こえてくると涙が落ちた。源氏の歌

月影は見し世の秋に変はらねど 隔つる霧のつらくもあるかな 〜月の光は昔の秋と変わりませんのに 隔てるように霧がかかっているのが つらく思われるのです。 (中宮様との間に隔たりがあるのが悲しく思います) 【第10帖 賢木 さかき】 「ただ今まで御前におりまして、 こちらへ上がりますことが深更になりました」 と源氏…