別るとてはるかに言ひしひと言《こと》も かへりて物は今ぞ悲しき〜前斎宮は、別れの御櫛をいただいた時、美しい帝が別れを惜しんでお泣きになるのをおいたわしく思った。

別るとてはるかに言ひしひと言《こと》も かへりて物は今ぞ悲しき 前斎宮は、別れの御櫛をいただいた時、 美しい帝が別れを惜しんでお泣きになるのをおいたわしく思った。 (朱雀院に by 前斎宮) 〜別れの御櫛をいただいた時に 仰せられた 「京(みやこ)の方(かた)に赴きたまふな」の一言が 京にに帰った今となっては…