源氏物語 桐壺巻

かぎりとて別るる道の悲しきにいかまほしきは命なりけり 桐壺更衣 宮城野の露吹きむすぶ風の音に小萩がもとを思ひこそやれ 桐壺帝 鈴虫の声のかぎりを尽くしても長き夜あかずふる涙かな 靫負命婦 いとどしく虫の音しげき浅茅生に露おきそふる雲の上人 桐壺更衣の母 あらき風ふせぎしかげの枯れしより小萩がうへぞ静心なき …