雲心月性...
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徒然草(上) 第32段 九月廿日の比、ある人に誘はれたてまつりて、
九月廿日の比、ある人に誘はれたてまつりて、明くるまで月見ありく事侍りしに、思し出づる所ありて、案内せさせて、入り給ひぬ。荒れたる庭の露しげきに、わざとならぬ匂ひ、しめやかにうち薫りて、忍びたるけはひ、いとものあはれなり。 よきほどにて出で給ひぬれど、なほ、事ざまの優に覚えて、物の隠れよりしばし見ゐた…