萬葉集  巻第五   雑歌 梅花の歌三十二首并せて序

萬葉集 巻第五 雑歌 梅花の歌三十二首并せて序 天平二年正月十三日に、師の老の宅に萃まりて、宴会を申く。 時に、初春の令月にして、気淑く風和ぎ、梅は鏡前の粉を披き、蘭は珮後の香を薫す。 加之、曙の嶺に雲移り、松は羅を掛けて蓋を傾け、夕の岫に霧結び、鳥はうすものに封めらえて林に迷ふ。 庭には新蝶舞ひ、空には…