うつせみと、思ひし時に、取り持ちて、我がふたり見し、走出の、堤に立てる〜万葉と五七の魔術③

【うつせみと、思ひし時に[一云(いちにいわく) うつそみと、思ひし]、取り持ちて、我(わ)がふたり見し、走出(はしりで)の、堤(つつみ)に立てる、槻(つき)の木の、こちごちの枝(え)の、春の葉の、茂(しげ)きがごとく、思へりし、妹(いも)にはあれど、 頼(たの)めりし、子らにはあれど、世間(よのなか)を、背(そむ)きしえね…