『禅と戦争』ブライアン・アンドルー・ヴィクトリア

戦中における禅宗と国粋主義の関係を、僧籍をもつ研究者が説明する。今まで読んだ本にくらべて珍しい視点から書かれた本である。 *** 檀家制度によって幕府の役人となっていた既成仏教教団は、一部では農民を搾取したりなど幕府との癒着もあったが、明治維新を機に苦境に立たされる。新政府の神仏判然令によって仏教は権力…