『十七歳の硫黄島』秋草鶴次 ――自分の体にたかる蛆虫を食べて生き延びた高校生

海軍通信科員として硫黄島の戦いに参加した人物の手記。 戦闘の具体的な経過、実際の様子を詳しく記録している。 秋草氏は悲惨な戦況のなかで自らも負傷するが、絶対に生き延びるという強い意志を持っていた。このことは、回想録の各所で伺える。玉砕を選ぶのではなく、生きる意志を保持し続けたことで、かれは運よく生還…