映画「清作の妻」(1965)

本作を監督した増村保造に対し、私は「愛とエロス」を撮るフィルムメーカーという勝手なイメージを抱いていたのだが、その思い込みを見事に覆される重厚にして深遠な人間ドラマだった。でもよく考えてみれば、この映画の根底にあるのはひとりの女のエゴイスティックでひたむきなラヴなのだから、やはりこれは如何にも増村…