短篇小説「言うだけ刑事」

「おい、待て! さもないと撃つぞ!」 言うだけ刑事が、今日も威勢よく声を張り上げる。しかしそこはもちろん言うだけ刑事。ただ単にそう言っているというだけの話で、拳銃を抜く素振りもなければ、追いかけることすらしない。公園のベンチで悠然とカップラーメンをすすりながら、叫ぶだけ叫んで食い逃げ犯を悠然と見送っ…