物語詩「月影五番街」

この物語詩は遥か昔 20歳くらいの時に 友人たちとやっていた文学同人誌に発表したものを元にしております。 月影五番街 一 かれらは街を棄ててゆく 風に吹かれた落葉のように 春に散り行く桜のように。 ここでは得られぬ なにかを求め ぞろぞろ ぞろぞろ 列なして かれらは街を 後にする。 店は畳まれ 外灯も消えて 目抜き…