池澤夏樹『夏の朝の成層圏』の感想

氏の39歳の処女小説である。詩やエッセイなどはこれ以前にも書いていたらしいが。とある日本人が船から落ち、漂着した南方の島でのサバイバルと、孤独を愛する映画俳優との邂逅に端を発して語られる文明論といった趣きである。