桐壺の帖 七、藤壺女御の入内。

(現代語訳) 季節が巡り、年月を経ても、ミカドは御息所を忘れられない。取り巻きたちは「ミカドの心の隙間を埋めよう」と、それなりの女性を連れてくるのだが「あの人の代わりは、この世にいないのだ」と言って、誰とも会いたがらなかった。そんな折、「先のミカドの四女で、評判の美女がいる」と噂が立った。母君が過保…