帚木の帖 二、雨夜の品定め。頭中将の女性階級論。

(現代語訳) 長々と雨が降り続く静寂な夜、後宮を訪ねる人も少なくてゲンジの君の部屋も微睡みかけていた。ゲンジの君が灯りを近くに寄せて読書をしていると、中将が近くの棚にある色とりどりの手紙を引き出して覗きたがる。 「読まれてもよいものなら見せてあげよう。恥ずかしい手紙があるかもしれない」 と言って、ゲン…