源氏物語(未完) / 旧徒然草校閲日記
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空蝉の帖 三 空蝉の逃亡。ゲンジの君、軒端の荻を襲う
(現代語訳) 若い軒端の荻は、警戒もせずに「すやすや」と眠っている。その部屋に人の気配と、甘い芳香が広がった。空蝉が顔を持ち上げると、夏服を脱いで吊した仕切りの裂け目に、暗闇にまみれて匍匐しながら近寄ってくる変態の影が浮き彫りになっているのだった。空蝉は仰天した。パニック状態のまま、そっと起き上がり…