夕顔の帖 九 コレミツ、夕顔の亡骸を処置する

(現代語訳) 真夜中が過ぎたのだろう。風が少し強く吹きはじめた。一層と松の木が響くのが、森の奥から聞こえてくる。妖しい鳥がガラガラと鳴いているのは「梟だろう」と思った。よくよく反省してみると、どこからとも遠い不気味な場所で、人の声もせず、「どうしてこんな物騒な場所で乳繰り合おうと思ったのか」と、後の…