夕顔の帖 十三 夕顔の四十九日

(現代語訳) 夕顔の四十九日の法要は人目を憚って、比叡山の法華堂で行われた。簡単な式ではなく、死装束からはじめ、必要な物は全て入念に揃えて経文を唱えさせた。経や仏の飾りも格別である。コレミツの兄の阿闍梨は、徳の高い人なので立派に取り仕切った。ゲンジの君が昵懇にしている漢学の先生を呼び、仏への願文を作…