若紫の帖 一 ゲンジの君、北山に行き明石入道の娘の話を聞く

(現代語訳) ゲンジの君は発熱を繰り返していた。色々と仏の加護を祈ったが効果が無く発作が続く。ある人が、「北山のある寺に一流の修行者がおります。去年の夏にこの病気が流行したときにも、僧侶達は、匙を投げていたのですが、片っ端から治療したという評判です。長引くと面倒ですから、すぐにでも診てもらうのがいい…