末摘花の帖 四 ゲンジ、雪の朝に末摘花の鼻に絶句する

(現代語訳) 朱雀院の行幸が近づくと、ミカドの御前で試演などが始まり騒がしくなってくる。その頃、タイフの命婦が後宮に戻ってきた。 「あの人はどうしている」 とゲンジの君は詰め寄った。気の毒には思っているらしい。タイフの命婦は状況を報告して、「こんなに愛想を尽かしたようにされては、周りの女官たちまで可哀…