末摘花の帖 五 末摘花、ゲンジに着物を贈る

(現代語訳) 年も暮れゆく。ゲンジの君が、後宮の宿直所にいると、タイフの命婦がやってきた。髪を梳かせたりするには、色っぽい関係でなくて、それでいて冗談を言えるような女が良かったので、タイフの命婦は、もってこいなのであった。タイフの命婦も、話したいことがあれば、呼び出しがなくても、ゲンジの君のいる桐壺…