吉本ばなな『キッチン』-あわい感情を、きらきらと、ふちどる。-

辛い時・疲れた時、僕はこの作家の本を読む。 吉本ばなな『キッチン』(新潮社 2002年)の話をさせて下さい。 ※改名前なので苗字が漢字表記です。 朝焼けは案外暗かった。 【あらすじ】 唯一の家族であった祖母を亡くした大学生・桜井みかげは、 青年・田辺雄一と、強い魅力を持つ雄一の母・えり子の住む家に居候すること…