小さなツナの缶詰。齧る。
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角田光代『あしたはうんと遠くへ行こう』-たすけて。-
「たすけて」 主人公は時々だれもいないところで、そのように呟いたり、思ったりする。 そしてその度に、僕は、震えるのだった。 ああ、彼女は僕だ。 その瞬間だけ僕は野崎泉なのだ。 角田光代『あしたはうんと遠くへ行こう』(角川書店 2005年)の話をさせて下さい。 【あらすじ】 泉は田舎の温泉町から東京に出てきた女…