ミヒャエル・エンデ『モモ』

「全ての人が死を恐れなくなれば、誰かに時間を奪われることなど決してなくなる」 とても印象に残る、作中のフレーズだ。 執筆は1970年。 50年の時を経て、しっかりと時の洗礼を受けた作品である。 自らの時間を、自分の幸せと結びつけて使うことのできる少女、モモ。 彼女には実の家族もいなければ家もない。 生い立ちも…