すべて真夜中の恋人たち 川上未映子 著

くるしくて、くせになる。二度読むとさらに深まる。 「君をみてるとね、ほんとうにいらいらするんだよ」 これは、主人公の冬子が、高校生のときに同級生から放たれる言葉。この直前の会話がとても印象に残る。 冬子は、傷つかないための基本作法として「ほんとうのことを口にして、問い詰めたりしてはいけない」ということ…