お菓子とビール サマセット・モーム 著 / 行方昭夫(翻訳)

自意識過剰なモードに入っている人間の思索のあれこれというのは十中八九、多少はうとましいものであるはずなのに、そう感じない。とっくに済ませておけよと思うような思春期を振り返って分解する記述には、毎度ながらうなってしまう。これは書き手として "精神的に紳士" だからなせる技? 小説の序盤で少年が自転車に乗る…